私はずっとお金に関わる仕事をしてきました。
お金は、良い面と悪い面の両方を持ち合わせています。
幸せにもするし、不幸せにもします。
【隣り合わせ】です。
血の繋がった家族でありながらも、お金の魔力で崩壊してしまう姿も沢山見てきました。
私は、今は営業から離れていますが昔、証券会社の営業をしていました。
入社したのはバブルが弾けた後の下り相場でした。
景気が悪くなると、リストラの嵐でした。
仕事が出来ない人は窓際に追いやられて、そして、それに耐え切れずどんどん人が辞めていきました。
人が辞めていくのに、ノルマは人数割りで来るのです。
半期ごとに各店の人数割りで、こなす数字を決めていたので辞めていく人の分のノルマがドンドン乗っかるのです。
そのノルマの負担のシワ寄せが何処にいくかと言うと、お客様だったのです。
当時は、非情にノルマをこなす為に回転売買で手数料稼ぎをする人がわんさかいました。
その後、金融庁から回転売買や短期売却については厳しい指導がありましたから今はそんなことはないと思いますが、、、、、、。
私は当時、お店のフロント営業部のリーダーをしていたので自分だけのノルマだけでも大変なのに、全体の達成率まで管理をしなくてはならず、当時は身体も心もボロボロでした。
その頃は【お金】で皆が人間性を失っていたように思います。
私は当時、仕事のやり方については、相当葛藤を繰り返しました。
結局、回転売買でお客様を傷付けると人間関係が崩れ、結局どんどんお客様が離れていくのです。
そうゆう営業をしている人は、持っても2~3年でした。
お客様が離れていくと、家族や親戚、知人を使ってノルマをこなすのです。
そして、そこでも人間関係が崩れて、その果てに会社を辞めてゆくのです。
私は、傷付いてボロボロになった預かり残高ゼロのお客様を辞めていく先輩から引き継ぐのです。
大体、後輩に引き継ぐのは意地悪で預かり残高ゼロの人間関係が崩れた口座なんです。
私が仕事を続けられたのは、回転売買、家族、親戚、知人、に対してはシャットアウトしてたからなんです。
預かり残高ゼロのお客様を、くまなくローリングして挨拶だけを繰り返していたのです。
向こうは嫌悪感でいっぱいでしたから、決して営業の話はしないんです。
『こんにちは~』とか『何してるんですか~』だけをずぅ~と繰り返したんです。
そうすると、雪が溶けるように家の中に招き入れてくれるようになって人間関係を取り戻していたのです。
そうなると、こっちから勧めなくてもお客様の方からお金を預けたいと来て下さるのです。
私は、お客様それぞれの家庭の事情も含めて考えていました。
老舗のお店をご主人が亡くなった後、守り抜き広げた資産家のお婆さんがいたのです。
子供がいなかったので、養子の息子がいたんです。
その息子のことを、我が子のように可愛がっていたのです。
私には、いつも一人前になった息子のことを自慢していました。
奥様は、息子に仕事を教える為に、それはもう厳しく育ててきたのです。
息子側は、いつも奥様を気遣うような話し方をする所が私は気になっていたのです。
血が繋がっていなくても、息子側からの言葉は一線引いた感じだったのです。
私が、そのお宅に訪問すると息子はいつも『うちの大事なお婆さん』と必ず奥様の前で歯の浮くような言葉を言うのです。
奥様は、その言葉をとても嬉しそうに笑みを浮かべて笑っていました。
だけど、その家に訪問する度に株券などの奥様の名義を息子に名義変更する手続きだったのです。
奥様は、息子に言われるがまま信用しきってどんどん息子名義に変更されていたのです。
お二人が納得の上なので、私がとやかく言えない立場だったのですが、、、、、、。
私は気になって、いつも奥様と二人きりになった時に『お金は離しちゃいけないですよ!』と忠告していたんです。
しかし、聞き入れてくれませんでした。
結局、全て息子の名義に変わってからは、奥様は老人ホームに入れられてしまったのです。
あんなに『うちの大事なお婆さん』と連呼していた息子が豹変したのです。
その奥様が、そのお店の看板でもあったのに追いやられてしまったのです。
奥様が去られた老舗のお店の味は変わり果て、お客様も離れていってお店は廃れていきました。
私は、この数年の間に患者側のセミナーにも参加したりしています。
ご自身の病気を広く伝えたいのだが、うまくいかないというお話しがメインでした。
私は、何となく【ビジネス】と【志し】の天秤が見えてしまったのです。
このバランスってとても難しい問題だと思うんです。
【医者とお金】のバランスと同じです。
この人は、私を治そうとしてくれているのか?
それとも【ビジネス】目線で見ているのか?
(´・Д・)」その天秤を見極めることが難しいんです。
【ビジネス】と【心】のバランスって、とっても大事なことなんです。
【心】がないビジネスは、成り立たないのです。